吉本家の調査

プロジェクトの目的

今回のプロジェクトの目的は、鞆の浦の伝統的建造物群保存地区外に点在している歴史的な建物をどのように保存し、活用するかを提案するものです。

調査にあたって

今回の調査は、公益社団法人福武財団の2020年度 「瀬戸内海地域振興助成」の助成を受けて行っています。
また、実際の調査には、奈良女子大学藤田盟児先生の協力を得て行っています。

吉本家の概要

吉本家は、鞆錨釘合弁会社の経営者であって、会社は家から離れた位置にありました。
したがって、大規模な町家であるにもかかわらず、鞆においては例外的に住居専用となっていました。
この建物は、東海岸に併行して南北に通る中心的街路の東側に建つ町家です。
街路に面して二階建の主屋ががあり、角家、台所、風呂場へと続き、敷地の後端の離れと土蔵へと接続しています。また敷地の中央には、座敷の間があり、東西2か所が中庭となっています。
主屋と座敷は、大正8年(1919年)、離れと土蔵は明治35年(1902年)の建築となっています。

母屋の梁

歴史的価値評価

街路に面して間口が八間と鞆においては大規模である。
街路に面した主屋からは別棟にて格式の高い座敷、土蔵の蔵を持つなど敷地に余裕のある特別に規模の大きな町家にだけ許される特殊な形式言えます。
大正期に建てられた建物であるにもかかわらず、一階は、出格子と平格子を並べ切石を用いた布基礎を通しており、二階は居住性を犠牲にした辻子二階風にし真壁造の灰色漆喰の土壁、木製の出格子を設け、屋根は本瓦葺とするなど格式の高さを古式な意匠により示しています。

※福山市鞆町伝統的建造物群保存調査報告書より


調査の実施

建物の調査

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